ネイリストの予定納税|2026年11月30日までにやること

ネイリストの予定納税の通知書とカレンダー、マニキュアと電卓のイラスト

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ネイリストの予定納税は、去年の所得税が15万円以上だった人にだけ届く「所得税の前払い」です。2026年分の第2期は、11月30日(月)が納期限です。

6月ごろ、税務署から封筒が届いて驚いた方はいませんか。「予定納税額の通知書」という書類です。

身に覚えのない金額が書いてあるので、詐欺かと思ってしまう方もいます。でも、これは正しい通知です。

この記事では、フリーランスのネイリストさん向けに、予定納税のしくみと11月にやることを整理します。

予定納税は「所得税の前払い」です

予定納税とは、その年の所得税の一部を、確定申告より先に納める制度です。

国税庁は、この制度の目的を「一時に税金を納付した場合の負担感を緩和すること」と説明しています。

つまり、3月にまとめて何十万円も払うのは大変なので、先に分けて納めておきましょう、という話です。

前払いした金額は、翌年の確定申告で計算した税額から差し引きます。二重に取られるわけではありません。

むしろ、前払いが多すぎた場合は、確定申告のあとに差額が戻ってきます(還付)。

2026年分のスケジュール

2026年(令和8年)分の予定納税は、次のように進みます。

時期何が起きるか
2026年6月15日まで税務署から「予定納税額の通知書」が届く(書面またはe-Tax)
2026年7月1日〜7月31日(金)第1期分を納付(原則、予定納税基準額の3分の1)
2026年11月1日〜11月30日(月)第2期分を納付(原則、予定納税基準額の3分の1)
2027年3月15日(月)まで確定申告で精算。納めすぎていた分は戻ってくる

納期限が土曜・日曜・祝日にあたるときは、その翌日が納期限になります。

2026年は11月30日が月曜日のため、そのまま11月30日が第2期分の納期限です。

対象になるのは「前年の申告納税額が15万円以上」の人

予定納税の通知書を見て対象かどうか考えるネイリストのイラスト

予定納税が必要なのは、「予定納税基準額」が15万円以上になる人です。

この予定納税基準額は、原則として、その年の5月15日時点で確定している前年分の「申告納税額」がそのまま使われます。

申告納税額とは、確定申告書に書いた、最終的に自分で納めた所得税と復興特別所得税の金額のことです。

源泉徴収された分がある場合は、それを差し引いたあとの金額になります。

「売上がいくらから」では決まりません

よくある誤解が、「年商◯◯万円を超えたら予定納税」というものです。これは正しくありません。

判定に使うのは売上ではなく、前の年に実際に納めた所得税の金額だけです。

同じ売上でも、経費や控除が多い人は所得税が小さくなり、対象にならないことがあります。

たとえば、ジェルやポリッシュの仕入れ、ネイルマシン、検定の受講料などをきちんと経費にしているかどうかで変わります。

経費にできるものの一覧はネイリストの経費一覧にまとめています。

ネイリストだと、こんなときに届きます

  • 業務委託サロンで指名が伸び、前の年の報酬が大きく増えた
  • ホームサロン(自宅サロン)が軌道に乗り、2年目・3年目で利益が出てきた
  • サロンを掛け持ちして、複数の収入をまとめて申告した
  • 設備をひととおり買い終えて、経費が減り、利益だけが残った年があった

最後の例は見落としがちです。開業年に機材をそろえた反動で、翌年の税額が跳ね上がることがあります。

なお、通知書が届いていない場合は、予定納税の対象ではありません。自分で計算して納める必要はありません。

前年の確定申告で通知書の「電子交付」を希望した方は、書面ではなくe-Taxで通知されています。

紙が届かないので、e-Taxのメッセージボックスを確認してください。

第2期分の納期限は2026年11月30日|納め方の選び方

第2期分の納期限は、2026年11月30日(月)です。振替納税を使っている方の振替日も同じ日です。

納め方は複数あります。自分に合うものを選んでください。

納め方ポイント
振替納税登録した口座から自動で引き落とし。2026年第2期分の振替日は11月30日(月)
ダイレクト納付e-Taxから口座引き落とし。事前に届出書の提出が必要
インターネットバンキング等ネットバンキングやATMからの電子納税
クレジットカード納付決済手数料がかかります
スマホアプリ納付納付税額が30万円以下の場合に使えます
金融機関・税務署の窓口土日祝は納付できません

振替納税を使っている方が、いちばん気をつけたいのが残高不足です。

引き落としができなかった場合は、期限の翌日から納付日まで延滞税がかかります。

サロンの家賃や材料の仕入れと同じ口座にしていると、うっかり残高が足りなくなりがちです。

11月末は、講習会やクリスマスに向けたパーツの仕入れが重なる時期でもあります。前の週に残高を確認しておくと安心です。

なお、2026年第2期分を期限までに納めなかった場合、2026年12月1日から12月31日までの延滞税の割合は年2.8%です。

2027年に入ってからの割合は、その年ごとに決まります。最新の割合は国税庁のサイトでご確認ください。

e-Taxで通知書を受け取っている方には、納付書が送られてきません。

その場合は、e-Taxのメッセージボックスに入る「予定納税に係る納付区分番号通知」からキャッシュレスで納付できます。

売上が落ちたネイリストは「減額申請」が使えます

売上が落ちたネイリストが予定納税の減額申請書を提出する様子のイラスト

予定納税は、あくまで前の年の実績をもとにした金額です。

今年の調子が去年より悪いなら、その分を減らしてもらう手続きがあります。「予定納税額の減額申請」です。

国税庁は、廃業、休業、業況不振などの理由で、今年の見積もりの税額が通知された予定納税基準額より少なくなると見込まれる場合に申請できる、としています。

こんなときに申請できます

国税庁が例としてあげているのは、次のような場合です。

  • 廃業や休業、失業をした場合
  • 業況不振などのため、今年の所得が去年より明らかに少なくなると見込まれる場合
  • 災害や盗難、横領で事業用の資産に損害を受けた場合
  • 医療費控除を新たに受けられる、または去年より医療費控除の額が増える場合
  • 配偶者控除や扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除を新たに受けられる、または対象になる人が増えた場合
  • 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の額が増える場合や、寄附金控除を受けられる場合
  • 住宅借入金等特別控除などを新たに受けられる、またはその控除額が増える場合

ネイリストの現場に置き換えると、次のようなケースが当てはまりやすいところです。

  • 体調不良やケガでしばらく施術ができず、休業した
  • 業務委託サロンを辞めて、次のサロンが決まるまで収入が途切れた
  • 産休・育休でお休みしている
  • 自宅サロンの近くに競合が増え、指名売上が明らかに落ちた
  • 国民健康保険料や国民年金保険料が上がり、社会保険料控除が増えた
  • 小規模企業共済に新しく入り、掛金の分だけ控除が増えた

大事なのは、「今年の見込み」で判断する点です。去年より明らかに苦しいなら、検討する価値があります。

第2期分だけを減らす場合の期限

減額申請には、7月に出すものと11月に出すものがあります。

申請の種類いつの状況で計算するか提出時期
第1期分と第2期分の減額その年の6月30日の現況その年の7月1日〜7月15日
第2期分のみの減額その年の10月31日の現況その年の11月1日〜11月15日

提出期限が土日祝にあたるときは、その翌日が期限です。

2026年は11月15日が日曜日のため、第2期分のみの減額申請の期限は11月16日(月)になります。

申請書はe-Taxソフトで作って提出できます。書面で作成し、持参または郵送で出すこともできます。

提出先は、納税地を所轄する税務署長です。

添付書類として、見積もった税額の計算の根拠になる事実を書いた書類を出します。

ネイリストの場合、月ごとの売上や報酬の集計、休業していた期間がわかる資料などが根拠になります。

申請を出すと、税務署が承認・一部承認・却下のいずれかを決め、その結果が書面またはe-Taxで通知されます。

出せば必ず通るわけではありません。根拠となる数字は、きちんと帳簿から出しておきましょう。

1つだけ注意点があります

2026年度の税制改正で基礎控除が見直されていますが、この見直しは予定納税額の計算では考慮されていません。

国税庁も、基礎控除の見直しは確定申告のときに考慮し、最終的な年間の所得税額で精算する、と説明しています。

そのため、「基礎控除が増えたから」という理由だけでは減額申請の対象になりません。

その分は、確定申告のときにきちんと精算されます。慌てなくて大丈夫です。

11月までにやることチェックリスト

最後に、11月にやることをまとめます。

  • 6月に届いた「予定納税額の通知書」を探す(e-Tax通知の方はメッセージボックスを確認)
  • 通知書の「第2期分」の金額を確認する
  • 1月から10月までの売上と経費を集計し、今年の利益を出す
  • 去年より明らかに減っていたら、11月16日(月)までに減額申請を検討する
  • 減らさない場合は、11月30日(月)までに納付する
  • 振替納税の方は、11月30日までに口座残高を確認しておく
  • 納めた金額をメモしておき、確定申告書に第1期分と第2期分の合計を書く

最後の項目は忘れやすいところです。予定納税額の記載を忘れると、同じ税金をもう一度納めることになりかねません。

確定申告のときは、申告書に予定納税額(第1期分と第2期分の合計額)を必ず記載してください。

日ごろから売上と経費を集計しておけば、この作業は数十分で終わります。

よくある質問

予定納税の通知が届きましたが、払わないとどうなりますか?

納期限の翌日から、納付する日までの日数に応じて延滞税がかかります。

振替納税を使っていて、残高不足で引き落とせなかった場合も同じです。

支払いが厳しい場合は、放置せずに所轄の税務署へ相談してください。

予定納税を払うと、そのぶん損をしませんか?

損はしません。予定納税は所得税の前払いだからです。

翌年の確定申告で、計算した税額から予定納税額を差し引いて精算します。

前払いが多すぎた場合は、その差額が戻ってきます。

産休で数か月お休みします。予定納税を減らせますか?

休業によって今年の所得が減り、見積もった税額が予定納税基準額を下回る見込みなら、減額申請を検討できます。

第2期分のみの減額申請は、その年の10月31日の状況で計算し、11月1日から11月15日までに提出します。

2026年は11月15日が日曜日のため、期限は11月16日(月)です。

当サービスは、税理士が運営するネイリスト専門の確定申告サービスです。予定納税の通知が届いた方のご相談も承っています。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

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