ネイリストのレシート保存期間|2026年の保管ルール

ネイリストがレシートの保存期間を確認しながら領収書とネイル用品を机の上で整理しているイラスト

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ネイリストが受け取ったレシートや領収書は、青色申告なら最長7年、白色申告でも最長7年の保存が必要です。捨てていいのは「保存期間が終わったもの」だけなので、まずは何を何年残すのかを整理しておきましょう。

ジェルやポリッシュを買ったときのレシート、ネイルマシンの領収書、検定の受講料の控え。サロンの引き出しやカバンの中に、たまっていませんか。

「確定申告が終わったから、もう捨てていいよね」と思ってしまいがちです。ですが実は、申告が終わったあとも数年間は残しておく義務があります。

この記事では、ネイリストが受け取る書類ごとの保存年数を、国税庁が公表しているルールにそって整理します。あわせて、スマホで受け取った領収書の扱いや、今日からできる保管のしかたもお伝えします。

ネイリストのレシートは何年とっておけばいい?

保存する年数は、青色申告か白色申告かで少し変わります。まずは自分がどちらかを確認してください。

青色申告をしている場合

国税庁のパンフレット「記帳や帳簿等保存・青色申告」では、次のように区分されています。

保存が必要なものネイリストの例保存期間
帳簿仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年
決算関係書類損益計算書、貸借対照表、棚卸表(年末のジェル在庫の一覧など)7年
現金預金取引等関係書類領収書、小切手控、預金通帳、借用証など7年(※)
その他の書類請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など5年
※前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の方は5年(国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」より)

ネイル材料を買ったときのレシートや、サロンの家賃を払ったときの領収書は「現金預金取引等関係書類」にあたります。つまり原則7年です。

ただし、前々年分の事業所得(売上から経費を引いたもうけ)が300万円以下だった方は、この区分だけ5年になります。売上ではなく、もうけの金額で判定する点に注意してください。

白色申告をしている場合

保存が必要なもの保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)5年
決算に関して作成した棚卸表その他の書類5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類5年
国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」より

白色申告の方は、レシートや領収書そのものは5年です。ただし、売上や経費を書いた帳簿(法定帳簿)だけは7年になります。

「白色だから5年でいい」と覚えてしまうと、帳簿を早く捨ててしまうおそれがあります。帳簿は7年、と分けて覚えておきましょう。

インボイスを出している人は7年

消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等、そしてインボイス発行事業者として交付した適格請求書の写しは、上の表にかかわらず7年間の保存が必要です。

サロンや企業と業務委託で取引していて、インボイスの登録をした方はこちらにあてはまります。お客様に発行した領収書の控えも、7年残しておいてください。

迷ったら「全部7年」でそろえてよい

区分ごとに5年と7年が混ざっていて、正直ややこしいと感じたかもしれません。

いちばん短いものが5年、いちばん長いものが7年です。ですから、細かく仕分けるのが面倒であれば、年ごとに1つの箱にまとめて7年分残しておけば、どの区分でも足りることになります。

短く保存しすぎるより、長めに残しておくほうが安全です。捨てる基準は「7年経った箱から順に処分する」でそろえてしまいましょう。

ネイリストがとっておくべき書類の具体例

ネイリストの確定申告書類とレシートを年ごとの箱とファイルに分けて棚に保管しているイラスト

「経費のレシート」だけを残せばいい、と思われがちです。ですが、保存が必要なのは経費の証拠だけではありません。売上がわかる書類も対象です。

ネイリストの働き方別に、残しておきたいものを挙げます。

材料・道具まわり

  • ジェル、ポリッシュ、アセトン、ファイル、コットンなどのレシート
  • ネイルマシン、UVライト・LEDライト、集塵機の領収書や納品書
  • ニッパー、プッシャー、筆などの道具の購入レシート
  • ネイルチップ、ストーン、パーツ、フラワーなどのネット通販の明細
  • 年末に残っていたジェルやパーツの在庫を数えたメモ(棚卸表)

ネイル用品はまとめ買いをすることが多く、1回のレシートに材料と私物が混ざりがちです。レジで分けて会計しておくと、後から見返すときに迷いません。

どこまでを経費にできるかで迷ったときは、ネイリストの経費一覧もあわせてご覧ください。

売上・報酬まわり

  • サロンからもらう業務委託の報酬明細(指名料や歩合の内訳がわかるもの)
  • お客様に発行した領収書の控え
  • 予約アプリやキャッシュレス決済の入金明細
  • 売上を記録したノートや予約表

売上に関する帳簿は、あとで説明するとおり特に重要です。予約アプリの画面をそのまま売上の記録にしている方は、年をまたぐと過去分が見られなくなることがあります。年末に一度、まとめて書き出しておくと安心です。

サロン・場所まわり

  • シェアサロンの席代・場所代の明細や振込記録
  • ホームサロン(自宅サロン)の家賃、電気代、水道代の明細
  • サロンの内装、施術チェア、ワゴン、収納などの領収書
  • 出張ネイルの交通費の記録(IC乗車券の履歴、駐車場のレシート)

スキルアップまわり

  • JNECネイリスト技能検定やJNAジェルネイル技能検定の受験料の控え
  • セミナー、講習会の受講料の領収書
  • 教材やテキストの購入レシート

受験料の領収書は、当日の受付でしか出ないこともあります。受け取ったらその場でスマホで撮影しておくと、なくす心配が減ります。

スマホで受け取った領収書は「印刷して紙で保存」ではダメ

ここが、いま一番つまずきやすいところです。

令和6年(2024年)1月1日以後にやりとりした電子取引データは、データのまま保存することになっています。国税庁のパンフレットでは、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当するデータが対象とされています。

ネイリストの場合、たとえばこんなものが当てはまります。

  • ネイル用品のネット通販で、メールやサイトからダウンロードした領収書
  • サロンからメールやチャットで送られてきた報酬明細のPDF
  • キャッシュレス決済アプリの画面で発行された領収書
  • 自分がお客様にメールで送った領収書のデータ

受け取ったときだけでなく、自分が送った場合も保存が必要です。

一方で、対象になるのは「データでやりとりしたもの」だけです。レジで紙のレシートをもらったものを、わざわざデータ化する義務はありません。紙は紙のまま保存して大丈夫です。

データ保存で求められる3つのこと

国税庁のパンフレットでは、次の3つが挙げられています。

  1. 改ざん防止のための措置をとること
  2. 「日付・金額・取引先」で検索できること
  3. ディスプレイやプリンタ等を備え付けること

なお、保存するファイル形式は問われません。PDFに変換したものや、スクリーンショットでも問題ないとされています。

1つめの改ざん防止は、専用のシステムを買わなくても対応できます。国税庁のパンフレットでは「改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る」という、費用をかけずに導入できる方法が紹介されています。規程のサンプルは国税庁のホームページに掲載されています。

2つめの検索については、簡易な方法が2つ示されています。

  • 表計算ソフトなどで索引簿(一覧表)を作り、その検索機能を使う方法
  • ファイル名に規則性をもって「日付・金額・取引先」を入れ、特定のフォルダに集めておく方法

後者なら、たとえば「20260420_8800_○○ネイル用品店.pdf」のような名前をつけて、1つのフォルダに入れておくだけです。索引簿のサンプルも国税庁のホームページで公開されています。

検索できなくてもよい場合がある

国税庁のパンフレットによると、次のイかロのどちらかに当てはまり、かつ税務職員からデータのダウンロードを求められたときに応じられるようにしていれば、検索の要件は不要とされています。

  • イ 基準期間(2年(期)前)の売上高が5,000万円以下
  • ロ 電子取引データをプリントアウトした書面を、日付および取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしている

個人で活動しているネイリストの多くは、イの5,000万円以下にあてはまるはずです。とはいえ、これは「検索できるようにしなくてよい」というだけです。データそのものを残しておく義務はなくなりません。

どうしても対応できないときの猶予措置

保存の要件に対応できないことについて相当の理由がある場合には、猶予措置が用意されています。

国税庁のパンフレットでは、相当の理由の例として「システム等の整備が間に合わない場合など、原則的なルールに従って電子取引データの保存を行うための環境が整っていない事情がある場合」が挙げられています。

この場合でも、次の2つはできるようにしておく必要があります。

  • 電子取引データをプリントアウトした書面を、税務調査等の際に提示・提出できるようにしている
  • データのダウンロードを求められたときに、その求めに応じられるようにしている

逆に、環境は整っているのにルールどおり保存していないだけ、という場合は猶予措置の対象になりません。国税庁のパンフレットでも、資金繰りや人手不足等の特段の事情がないケースは相当の理由と認められない、と説明されています。

今日からできる保管のしかた4ステップ

スマホで受け取った領収書のデータをパソコンのフォルダに保存するネイリストの電子取引データ保存のイラスト

完璧な仕組みを作ろうとすると、続きません。次の4つだけ決めてしまいましょう。

ステップ1 紙の置き場所を1か所に決める

サロンのカバン、自宅の引き出し、財布と分かれていると、必ずどこかで抜けます。空き箱でも封筒でもかまいません。「レシートはここに入れる」という場所を1つ決めてください。

ステップ2 データの置き場所も1か所に決める

スマホやパソコンに「2026年_領収書データ」のようなフォルダを1つ作ります。通販の領収書PDFも、サロンからの報酬明細も、そこに入れるだけです。

ファイル名を「日付_金額_取引先」の順にしておけば、前に紹介した検索の簡易な方法にもつながります。

メールの受信箱に入れっぱなしにするのは避けましょう。機種変更や解約でメールが見られなくなると、データごと消えてしまいます。

ステップ3 月に1回、年と月を書いて封をする

月末に、箱にたまった紙のレシートを封筒に移します。封筒の表に「2026年8月」と書くだけで十分です。

この一手間があると、あとから「これはいつのレシートだっけ」と探す時間がなくなります。感熱紙のレシートは時間が経つと文字が薄くなるので、金額が大きいものだけでも写真を撮っておくと安心です。

ステップ4 年が終わったら箱ごと年号を書いて棚へ

1年分の封筒がそろったら、まとめて1つの箱に入れ、「2026年分」と大きく書きます。あとは棚の奥にしまうだけです。

7年経った箱から順に処分すれば、保存年数を毎回調べ直す必要がなくなります。データのフォルダも、年ごとに分けておけば同じように管理できます。

チェックリスト

  • 紙のレシートを入れる場所を1か所決めた
  • データの領収書を入れるフォルダを1つ作った
  • サロンからの報酬明細を、毎月そこに保存している
  • お客様に発行した領収書の控えも残している
  • 年末のジェルやパーツの在庫を数えてメモしている
  • 過去の年の箱に、年号を書いてある

保存していないと損をする理由

「多少なくしても大丈夫でしょう」と考えたくなりますが、売上に関する帳簿については、はっきりとしたペナルティが用意されています。

国税庁のページによると、令和5年分の確定申告に対する修正申告等から、売上げに関する帳簿を保存していなかったことや、帳簿の売上げについて記載が不十分であったことなどが税務調査において把握された場合には、帳簿に記載すべき事項に関する申告漏れに対して通常課される加算税(過少申告加算税・無申告加算税)の割合に、5%または10%が加重されることとなりました。

つまり、同じ申告漏れでも、帳簿を残していなかった場合のほうが重い負担になるということです。

もう1つ、実務的な損もあります。レシートが手元にないと、その支出を経費として説明する材料がなくなります。買ったことは事実でも、証拠がなければ主張しづらくなってしまいます。

ジェル1本、ファイル1枚は小さな金額です。ですが、1年分を積み上げると決して小さくありません。残すだけで守れるお金だと考えてください。

なお、記帳や帳簿の保存は、所得税や復興特別所得税の申告が必要ない方も対象です。国税庁のページでも、個人で事業や不動産貸付け等を行う全ての方に記帳と帳簿書類の保存義務があると案内されています。「今年は売上が少なかったから関係ない」ということにはならない点に注意してください。

よくある質問

レシートの文字が消えてしまいました。どうすればいいですか。

感熱紙のレシートは、時間が経つと印字が薄くなることがあります。気づいた時点でコピーを取ったり、写真に撮ったりして、内容がわかる状態を残しておきましょう。あわせて、帳簿に日付・金額・支払先を記録しておくことが大切です。もともとデータでやりとりしたものは、電子取引データとして元のデータのまま保存してください。

紙のレシートをスマホで撮って、原本は捨ててもいいですか。

紙で受け取った書類を画像データで保存する方法(スキャナ保存)は電子帳簿保存法に定められていますが、満たすべき要件があります。要件を満たさないまま原本を捨ててしまうと、保存義務を果たしていない状態になりかねません。判断に迷う場合は原本を残したうえで、国税庁の「電子帳簿等保存制度特設サイト」で最新の要件を確認するか、個別にご相談ください。

サロンの営業をやめた場合も、保存は必要ですか。

保存期間は書類の区分ごとに定められており、事業をやめたから不要になるというものではありません。廃業したあとも、それぞれの保存期間が終わるまでは残しておくのが安全です。引っ越しなどで処分してしまう前に、年ごとにまとめた箱をそのまま保管しておきましょう。

制度の詳しい運用や、ご自身のケースでの取り扱いについては、運営者情報もご覧のうえ、お気軽にご相談ください。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

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