ネイリストの広告宣伝費|チラシ・SNS集客の経費2026

ネイリストの広告宣伝費のイメージ。サロンのカウンターで無地のショップカードを選ぶネイリストの手元と、マニキュアボトルや筆が並ぶ水彩イラスト。

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チラシもショップカードも、予約サイトの掲載料も、お客様に知ってもらうために使ったお金は「広告宣伝費」として経費にできます。

広告宣伝費は「知ってもらうために使ったお金」です

新しいお客様に来ていただくために、ショップカードを刷ったり、予約サイトに載せたり、SNSに広告を出したりしますよね。

こうした支出は「広告宣伝費」という科目でまとめて経費にできます。

国税庁は必要経費について、その収入を得るために直接要した売上原価などの費用だと説明しています。

あわせて、その年に生じた販売費・一般管理費その他業務上の費用も必要経費になるとしています。

集客のための支出は、この「販売費」にあたります。

科目の名前はかたく見えますが、確定申告で使う収支内訳書にも「広告宣伝費」の欄が最初から印刷されています。特別な処理ではありません。

国税庁の書き方の説明では、広告宣伝費の例として次のものが挙げられています。

  • 新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの広告費用、チラシ、折込み広告の費用
  • 広告用に名前を入れたマッチ、カレンダー、手ぬぐいなどの費用
  • ショーウインドーの陳列装飾のための費用

昔ながらの言い回しですが、考え方は今も変わりません。

「まだ知らない多くの人に、自分のサロンを知ってもらうために使ったお金」。これが広告宣伝費です。

ネイリストの広告宣伝費になりやすいもの

  • 予約サイトやポータルサイトの掲載料
  • SNSの広告出稿にかかった費用
  • 名刺、ショップカード、メニュー表、料金表の印刷代
  • チラシの印刷代とポスティング代
  • サロンの看板、のぼり、ウィンドウサイン
  • ホームページやネット予約ページの制作・維持の費用
  • 新規のお客様向けキャンペーンのために作ったPOPや装飾
  • 名入れのファイルやハンドクリームなど、来店した方に配るノベルティ
  • 作品写真を撮るために用意した背景紙や小物

ジェルやポリッシュのように直接お客様の爪に使うものではありませんが、売上をつくるために欠かせない支出です。

集客に使ったお金の科目早見表

集客まわりの支出は、性質が少しずつ違います。よく使う科目を整理しておきましょう。

支出の中身よく使う科目ひとこと
予約サイトの月々の掲載料広告宣伝費載せてもらうための費用です
予約1件ごとに引かれる送客手数料支払手数料掲載料と分けると使った額が見えます
キャッシュレス決済の手数料支払手数料売上は引かれる前の金額で書きます
SNSの広告出稿広告宣伝費明細は管理画面から保存します
名刺・ショップカード・チラシの印刷代広告宣伝費刷った枚数もメモしておきます
看板・のぼり(10万円未満)広告宣伝費または消耗品費買った年に全額を経費にできます
看板(10万円以上)減価償却の対象年数に分けて経費にします
来店者全員に配るノベルティ広告宣伝費配布用だと分かる記録を残します
撮影用の背景紙・小物(10万円未満)消耗品費仕事専用のものに限ります
ホームページの制作費広告宣伝費など金額が大きいときは資産として扱う場合があります

科目の選び方に、細かい正解があるわけではありません。

大切なのは、同じ性質の支出を毎回同じ科目に入れることです。去年は広告宣伝費、今年は雑費、では自分でも見返せなくなります。

手数料を引かれて入金されるときの書き方

予約サイト経由の施術料が、手数料を引かれた金額で振り込まれることがあります。

このとき、振り込まれた手取り額を売上にしてはいけません。

売上はお客様が払った金額そのままで書き、差し引かれた手数料は経費として別に書きます。

手取りだけを書くと、売上も経費も実際より小さくなってしまいます。もうけの金額は同じでも、正しい帳簿にはなりません。

働き方別|広告宣伝費が出てくる場面

同じネイリストでも、働き方によって集客にかけるお金は変わります。

サロンと業務委託契約を結んでいる場合は、集客をサロン側がしていることが多いはずです。

それでも、自分の名刺やSNSで指名のお客様を増やしているなら、その費用は自分の広告宣伝費になります。

報酬から広告費や集客費として何かを差し引かれている場合は、報酬明細を確認しましょう。差し引かれる前の金額を売上に書き、引かれた分を経費に書くのが基本です。

シェアサロンを使っている場合は、集客が丸ごと自分の仕事になります。

予約サイトの掲載料やSNS広告が毎月かかるため、広告宣伝費が経費の中で大きな割合を占めやすくなります。金額が大きい科目こそ、毎月の記録が効いてきます。

ホームサロン(自宅サロン)の場合は、近所へのポスティングやショップカードの配布が中心になりがちです。

印刷代もポスティングの依頼料も広告宣伝費です。自宅の住所を出さずに集客する工夫にかかった費用も、仕事のためであれば同じ扱いになります。

出張ネイルが中心の場合は、名刺とSNSが看板がわりです。

訪問先で渡す名刺やカード、紹介用のパンフレットにかかった費用を、忘れずに拾っておきましょう。

看板は10万円が分かれ目です

国税庁は、取得価額が10万円未満の減価償却資産について、その全額を業務に使った年分の必要経費にすると説明しています。使用できる期間が1年未満のものも同じ扱いです。

10万円以上のものは、決められた年数に分けて経費にしていきます。これが減価償却です。

国税庁の耐用年数表では、器具・備品の「看板、広告器具」のうち、看板・ネオンサイン・気球は3年とされています。

なお、10万円以上20万円未満のものは、業務に使った年から3年間で均等に経費にする方法を選ぶこともできます。

広告宣伝費と接待交際費の分かれ目

いちばん迷いやすいのが、お客様へのプレゼントです。

国税庁は接待交際費の例として、取引先などを接待する茶菓飲食代、旅行や観劇に招待する費用、取引先などへの中元・歳暮の費用を挙げています。

いっぽう広告宣伝費の例は、名入りのカレンダーのように、広く配るものでした。

見分ける目安は「相手が不特定多数か、特定の人か」です。

ネイリストによくある場面入れ方の目安
来店した方全員に配る名入りハンドクリーム広告宣伝費
新規の方向けキャンペーンのチラシ広告宣伝費
お友達を紹介してくれた方へのお礼の品接待交際費
お世話になっている問屋さんへのお中元接待交際費
いつも来てくださる方への誕生日プレゼント接待交際費

どちらの科目でも、仕事のための支出だと説明できれば経費として扱えます。神経質になりすぎる必要はありません。

ただし、自分や家族のための買い物は別です。

仕事と生活の両方に関わる支出を、税金の世界では家事関連費と呼びます。

国税庁は、家事関連費のうち経費になるのは、業務の遂行上直接必要だったと明らかに区分できる金額に限られると説明しています。

いつの年の経費になる?まとめ刷りと年払い

ショップカードをまとめて刷ったとき

ショップカードを1,000枚まとめて刷ると、配り終わるのが翌年になることもあります。

国税庁の通達では、消耗品などの取得にかかった費用は、その消耗品を消費した日の属する年分の必要経費に算入するのが原則とされています。

そのうえで、広告宣伝用の印刷物などには例外が置かれています。

毎年おおむね一定の数量を取得し、経常的に消費しているものであれば、取得した年の必要経費にする処理を続けている場合はそれを認める、と書かれています。

毎年だいたい同じ量のショップカードを刷って使っているなら、刷った年の経費にして問題ありません。

いっぽう、開業のタイミングで何年分もまとめて刷ったようなときは、使った分だけを経費にするのが原則になります。

どちらのやり方をとるにしても、途中で変えないことが大切です。

掲載料を1年分まとめて払ったとき

予約サイトの掲載料を、12か月分まとめて前払いすることがあります。

その年の12月31日の時点でまだサービスを受けていない分は、原則としてその年の必要経費にはなりません。

ただし国税庁の通達には、短期の前払費用という扱いがあります。

支払った日から1年以内にサービスを受けるものであれば、支払った年の必要経費に入れる処理を続けている場合はそれを認める、とされています。

11月に1年分の掲載料を払った、といったケースがこれにあたります。

2年分、3年分をまとめて払った場合は、この扱いは使えません。期間に応じて分けることになります。

今日からできる記録のしかたとチェックリスト

広告宣伝費は、紙の領収書が手元に残りにくい科目です。

予約サイトの掲載料もSNS広告も、明細は管理画面の中にしかありません。放っておくと、あとから金額を思い出せなくなります。

国税庁は、帳簿に取引の年月日・相手方の名称・金額などを記載することを求めています。

保存期間の目安は、帳簿が7年、請求書や領収書などの書類が5年です。細かい年数は青色申告か白色申告かなどで変わります。

  • 予約サイトとSNS広告は、毎月1回、管理画面から明細を保存する日を決める
  • 印刷物は、注文した枚数と配りはじめた月をメモに残す
  • 看板やのぼりは、金額と設置した日を控える(10万円が分かれ目です)
  • ノベルティは「全員に配る用」と「特定の方へのお礼」で分けて記録する
  • 掲載料をまとめ払いしたら、対象の期間を明細にメモしておく
  • プライベートの買い物と混ざったレシートは、仕事の分だけを取り出して書く

経費にならないものもあります

  • 自分や家族のためだけに買ったもの
  • 配る予定がないまま買った、ふだん使いできる私物
  • ポスティング中に取られた駐車違反の反則金(国税庁は、罰金・科料・過料・交通反則金などは必要経費にならないとしています)

集客の費用だけでなく、経費全体の見取り図を確かめたい方はネイリストの経費一覧もあわせてご覧ください。

記帳や申告そのものを任せたい方向けに、税理士が運営するネイリスト専門の確定申告サービスもあります。考え方は運営者情報をご覧ください。

よくあるご質問

予約サイトに払うお金は、掲載料と手数料で科目を分けたほうがいいですか?

分けておくと、集客にいくら使ったかが一目で分かります。毎月の掲載料は広告宣伝費、予約1件ごとに引かれる手数料は支払手数料に入れると整理しやすい形です。どちらの科目にする場合でも、同じ性質の支出は毎回同じ科目に入れてください。なお、手数料を差し引かれて入金されるときは、売上を差し引かれる前の金額で記録し、手数料は経費として別に書きます。

無料モニターで施術した分は、売上に書きますか?

お金を受け取っていなければ、売上として書く金額はありません。使ったジェルやパーツは、通常どおり材料の経費に含まれます。ただし、いつ・どなたに・どんな条件で施術したのか、写真の使用許可も含めて記録を残しておくと、あとから説明しやすくなります。自分や家族に施術した分は、仕事の記録とは分けて管理してください。

SNS投稿用に買った洋服やアクセサリーは広告宣伝費になりますか?

ふだんの生活でも使えるものは、そのままでは経費になりません。国税庁は、仕事と生活の両方に関わる支出について、業務の遂行上直接必要だったことが明らかに区分できる金額に限られると説明しています。撮影のためだけに使う背景紙や小物は説明しやすいいっぽう、外出時にも着られる洋服は説明が難しくなります。迷うものは消さずに「保留」として残し、あとで確認しましょう。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

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