ネイリストの材料費|ジェル代・在庫の考え方2026

ネイリストの材料費を帳簿につけるイメージ。ジェルボトルや筆、電卓、レシートが並ぶネイルデスク

カテゴリ:

ジェルやポリッシュ、ネイルチップにパーツ。毎月けっこうな金額を使う「材料費」は、正しく経費にすれば税金を減らせます。この記事では、材料費の考え方と、年末に少しだけ必要な「棚卸(たなおろし)」まで、税務の知識がなくても分かるように説明します。

そもそも材料費は経費になる?

結論からいうと、ネイルの施術に使う材料は経費になります。国税庁は、必要経費を「売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用」と「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用」と定めています。お客様のネイルを仕上げるために使うジェルやポリッシュは、まさにこの「直接要した費用」にあたります。

経費が増えると、その分もうけ(所得)が小さくなり、かかる税金も小さくなります。だからこそ、仕事で使ったものを漏れなく経費にすることが、手取りを守る第一歩になります。ネイリストの材料費には、たとえば次のようなものがあります。

  • ジェル・カラーポリッシュ・トップ/ベースジェル
  • ネイルチップ・フォーム・ストーンやホロなどのパーツ
  • アセトン・消毒用アルコール・ワイプ・キッチンペーパー
  • ファイル・バッファー・ウッドスティックなどの使い捨ての道具
  • コットン・アルミホイル・手袋などの衛生用品

サロンに業務委託で入っている方も、シェアサロンやホームサロン(自宅サロン)で働く方も、出張ネイルの方も、自分のお金で買った材料であれば経費にできます。逆に、サロンから支給されて自分では払っていない材料は、あなたの経費にはなりません。誰がお金を出したかで判断する、と覚えておきましょう。

一方で、ネイルマシンやUVライト、集塵機のように「1つで長く使う道具」は、材料費とは別の考え方になります。金額によっては、その年に全額を経費にできず、数年に分けて経費にする場合があります。目安として、1つあたり10万円未満のものは買った年に全額を経費にできます。道具の経費については、ネイリストの経費一覧もあわせてご覧ください。

「使った分」と「残った分」で扱いが変わる

材料費でいちばん間違えやすいのが、「買った金額」と「その年の経費になる金額」は必ずしも同じではない、という点です。経費になるのは、原則としてその年に“使った分”です。

使ったジェルと売れ残った在庫の違いを示すイラスト

たとえば12月にジェルをまとめ買いして、年末時点で未開封の在庫がたくさん残っているとします。この「売れ残り=まだ使っていない在庫」は、税務では棚卸資産(たなおろししさん)と呼ばれ、原則としてその年の経費からは外し、翌年に持ち越します。年末に在庫を数えることを棚卸といいます。

なぜこんな決まりがあるかというと、税金は「その年のもうけ」に対してかかるからです。まだ使っていない在庫は、来年以降の売上のために使うもの。だから今年の経費ではなく、実際に使う年の経費にしよう、という考え方です。

ただし、ネイリストの実態に合った“ゆるめのルール”もあります。国税庁の通達では、毎年おおむね一定の数量を買い、日常的に使い切っていく消耗品については、買った年の経費にしてよい、とされています。この方法を選んだら、毎年続けて同じやり方にすることが条件です。ある年だけ都合よく変える、ということはできません。

つまり、多くのネイリストの実態は次のように整理できます。

状況基本の扱い
毎月コンスタントに買って使い切る消耗品(ワイプ・コットン・アセトン等)買った年の経費にしてよい(毎年同じ方法を継続する)
年末にまとまった在庫が残る材料(買いだめしたジェル等)使った分だけが経費。残りは在庫として翌年へ

普段づかいの細かい消耗品まで1本ずつ数える必要はありません。ポイントは、「年末に明らかに大量の在庫が残っているとき」だけ、その分を経費から外して調整する、と覚えておくことです。

ジェル・ポリッシュ代の具体例で見る

数字で見るとイメージしやすくなります。ここでは分かりやすい例で説明します(金額は説明用の仮のものです)。

例1:使い切るタイプの消耗品

1年間でワイプ・コットン・アセトンなどを合計10万円分購入し、年末にはほぼ使い切っていた。この場合は、10万円をそのまま「消耗品費」として経費にできます。細かく数える必要はありません。

例2:年末に在庫が残ったケース

1年間でジェルを合計30万円分購入したが、12月に新色をまとめ買いしたため、年末時点で未開封のジェル5万円分が残っていた。この場合、経費になるのは使った25万円分で、残り5万円は在庫(棚卸資産)として翌年に持ち越します。翌年にその5万円分を使えば、翌年の経費になります。損をするわけではなく、経費にするタイミングがずれるだけ、と考えてください。

在庫の金額を出すときの評価方法は、税務署に届け出をしていない場合、最終仕入原価法という方法になります。むずかしく聞こえますが、「年末に残っている在庫を、いちばん最後に買ったときの単価で計算する」方法です。同じジェルを何度か違う値段で買っていても、最後に買った値段で数えればよい、と考えれば大丈夫です。

働き方別に気をつけたいこと

同じネイリストでも、働き方によって材料費のまわりで気をつける点が少し変わります。自分の状況に近いものを確認してみてください。

  • サロンに業務委託で入っている方:材料をサロンが用意している場合、自分では払っていないので経費になりません。自分で買い足した分だけが経費です。報酬から材料代が差し引かれている場合は、その差し引かれた金額が経費になることがあります。
  • シェアサロン・ホームサロン(自宅サロン)の方:材料費に加えて、家賃や光熱費のうち仕事で使った割合分も経費にできます。材料の在庫も自分で管理するため、年末の棚卸を忘れないようにしましょう。
  • 出張ネイルの方:持ち運ぶ材料はもちろん、移動にかかる交通費も経費になります。材料と交通費はレシートを分けて保管すると、あとで整理しやすくなります。

どの働き方でも共通するのは、「自分がお金を払った材料を、レシートとともに残しておく」ことです。ここさえ押さえておけば、申告のときに慌てずに済みます。

帳簿へはどう書く?

材料費は、帳簿では「消耗品費」や「材料費」といった科目でまとめて記録します。科目名は決まりきったものでなくても構いませんが、毎年同じ科目を使うと、前年と比べやすく管理がラクになります。年末に在庫を持ち越すときだけ、その分を差し引く調整を行います。

記録のコツは、買ったらすぐレシートを1か所にまとめること。月ごとに封筒やクリアファイルで分けておくと、集計のときに探す手間が減ります。ネットで買った材料は、購入履歴の画面を印刷するか、明細のデータを保存しておきましょう。まとめて後からやろうとすると、レシートが色あせて読めなくなることもあるため、こまめな保管が結局いちばんの近道です。

領収書・レシートは必ず残す

材料費を経費にするには、買ったことが分かる証拠が必要です。レシートや領収書、ネットで買ったときの明細を保管しておきましょう。青色申告でも白色申告でも、これらの書類は原則7年間の保存が必要です(帳簿の種類によっては5年のものもあります)。撮影やアプリでの管理をしていても、原本の保存が求められる点に注意してください。

年末にやること:棚卸のかんたんチェックリスト

「棚卸」と聞くと身構えてしまいますが、ネイリストがやることはシンプルです。年末(12月31日時点)に、次の手順で在庫を確認しましょう。

年末の棚卸チェックリストのイラスト
  • 12月31日時点で、まだ使っていない材料をざっと確認する
  • 明らかにまとまった在庫(買いだめしたジェル・大量のパーツなど)があれば、その数量をメモする
  • その材料を最後に買ったときの単価をレシートで確認する
  • 「数量×最後に買った単価」で在庫の金額を出す
  • その金額を今年の経費から外し、来年へ持ち越す

細かい消耗品まで1つずつ数える必要はありません。金額の大きい在庫だけを押さえれば十分なケースがほとんどです。写真を撮っておくと、あとから見返すときに便利です。

なお、材料費以外にも、自宅サロンの家賃や光熱費の一部、講習会やネイル検定の受講料、お客様にお出しする飲み物代など、ネイリストならではの経費はたくさんあります。「これは経費になる?」と迷うものは、その都度メモしておき、まとめて確認するのがおすすめです。どこまで在庫として計上すべきか迷ったら、自己判断で決めず、専門家に一度確認すると安心です。

「自分の場合はどこまで経費にできるのか」「在庫はどう数えればいいのか」といった具体的な相談先を探している方は、運営者情報のページからサービス内容もご確認いただけます。

よくある質問

自分のネイル代(サンプルや練習)は材料費になりますか?

仕事のための練習やデザインサンプル作成に使った材料は、業務に必要な費用として経費にできると考えられます。一方、完全にプライベートな自分のおしゃれのためのネイル代は、仕事との線引きがむずかしく、経費として認められないことがあります。仕事用とプライベート用は分けて記録しておくと安心です。

まとめ買いした材料は、買った年に全部経費にできますか?

毎年おおむね一定量を買って使い切っている消耗品なら、買った年の経費にしてよいとされています。ただし年末に明らかに大量の在庫が残った場合は、その残った分は在庫(棚卸資産)として翌年に持ち越すのが原則です。

レシートをなくしてしまいました。経費にできませんか?

レシートがなくても、クレジットカードの明細やネット通販の購入履歴など、支払いを証明できるものがあれば経費として説明できる場合があります。ただし証拠は多いほど安心なので、日ごろからレシートや明細を残す習慣をつけましょう。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

まずは無料相談から

「自分の場合いくらになるのか」だけでも構いません。公式LINEで無料相談を受け付けています。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です