ネイリストのカード決済手数料|売上と経費の分け方2026

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カードやQRコードで払ってもらった施術代は、手数料が引かれる前の金額が売上です。引かれた手数料は経費として記録します。

お客様のカード払いやQRコード決済に対応するネイリストが増えています。便利な一方で、通帳に入ってくる金額は施術代より少し少なくなります。この「少なくなった分」をどう記録するかで、売上と経費の数字がずれてしまう方が少なくありません。

この記事では、決済手数料や振込手数料の記録のしかたを、ジェルネイルの施術代や業務委託の報酬を例にして説明します。年末に向けて、今年の売上と経費を整理するときの参考にしてください。

決済手数料とは?売上と経費の基本

決済手数料とは、カード払いやQRコード決済を使うときに、決済サービスの会社に支払う利用料のことです。多くの場合、施術代から自動的に差し引かれて、残りが口座に入金されます。

税金の計算は「売上-経費」

国税庁のタックスアンサーでは、事業所得の金額は「総収入金額-必要経費」で計算すると説明されています。売上は売上、経費は経費として、それぞれ記録するのが基本です。

必要経費には、収入を得るために必要な費用や、業務上の費用が入ります。お客様からお金を受け取るための手数料は、ネイルの仕事をするうえで必要な費用です。そのため、経費として扱うのが一般的です。

入金額だけを売上にするとどうなる?

通帳に入った金額だけを売上として記録すると、手数料を差し引いた後の数字になります。この場合、売上も経費も実際より小さく記録されます。

売上と経費が同じ額だけ減るので、最終的な利益は同じに見えるかもしれません。しかし、売上の総額が正しくないと、次のような場面で困ることがあります。

  • 予約台帳やレジの記録と、帳簿の売上が合わない
  • 消費税の課税事業者になるかどうかの判定に使う売上高がずれる
  • 手数料にいくら払っているのかが見えず、料金設定の見直しができない

売上は「お客様が支払った金額」、手数料は「経費」と分けておけば、こうしたずれは起きません。

ネイリストの具体例|カード払い・業務委託の報酬

例1:ホームサロンでジェルネイルをカード払い

自宅サロンで、ワンカラーのジェルネイル8,000円をカードで支払ってもらったとします。ここでは説明のために、手数料を3%と仮定します。実際の手数料率は、契約している決済サービスによって違います。

項目金額帳簿での扱い
お客様の支払額8,000円売上
決済手数料(3%と仮定)240円経費(支払手数料)
口座への入金額7,760円売上と手数料の差額

帳簿には、売上8,000円と、支払手数料240円を分けて書きます。入金額の7,760円だけを書くのではない、という点がポイントです。

1件ずつ記録するのが大変なら、決済サービスの月ごとの明細を使う方法もあります。「今月のカード売上の合計」と「今月の手数料の合計」をまとめて記録すれば、手間がかなり減ります。

例2:業務委託サロンの報酬から振込手数料が引かれる

サロンと業務委託契約を結んでいる方は、毎月の報酬が振り込まれます。契約によっては、振込手数料が差し引かれて入金されることがあります。

たとえば報酬明細に「報酬250,000円、振込手数料440円」と書かれていたとします。この場合、売上は250,000円です。差し引かれた440円は、振込手数料として経費に記録します。

なお、報酬明細に「源泉徴収税額」が書かれている場合、その金額は経費ではありません。所得税の前払いにあたるもので、確定申告で精算します。国税庁のタックスアンサーでも、所得税や住民税は必要経費にならないと示されています。

例3:出張ネイルでQRコード決済を使う

出張ネイルでは、現金のやり取りを減らすためにQRコード決済を使う方もいます。考え方はカード払いと同じです。施術代と出張料を合わせた支払額が売上で、差し引かれた手数料が経費です。

入金のときに別途かかる出金手数料などがあれば、それも経費として記録できます。どの手数料がいくらかかったかは、決済サービスの管理画面の明細で確認できます。

決済端末を買ったときは手数料と分けて考える

カードを読み取る決済端末を購入した場合、その代金は手数料ではなく、道具や機械を買った費用として扱います。国税庁のタックスアンサーでは、取得価額が10万円未満のものは、使い始めた年に全額を必要経費にすると説明されています。

10万円以上の機器は、何年かに分けて経費にするなど扱いが変わります。ネイルマシンやUVライトと同じ考え方です。一方、端末の月額利用料のように毎月払う料金は、その月の経費として記録します。

経費になる手数料・ならないもの

内容扱いの目安
カード・QRコード決済の手数料経費(支払手数料)
決済端末の月額利用料経費(支払手数料など)
業務委託の報酬から引かれた振込手数料経費(支払手数料)
材料店への支払いで自分が負担した振込手数料経費(支払手数料)
報酬から引かれた源泉徴収税額経費ではない(確定申告で精算)
プライベートの買い物の決済手数料・振込手数料経費ではない

仕事とプライベートで同じ口座やカードを使っている場合は、仕事に関係する手数料だけを経費にします。ほかにどんな支出が経費になるかは、ネイリストの経費一覧にまとめています。

手数料の年間合計を出してみる

手数料を分けて記録しておくと、1年でいくら払ったかがすぐにわかります。たとえば、カード払いの売上が月に30万円あり、手数料を3%と仮定すると、月9,000円、年間で108,000円になります。

金額が見えると、カード払いの割合や料金設定を見直すきっかけになります。逆に、入金額だけを記録していると、この数字はどこにも出てきません。経費として正しく記録することは、税金のためだけでなく、サロン経営の判断材料にもなります。

年末に気をつけたいポイント

12月の施術代は、1月入金でも今年の売上

カード払いの施術代は、施術の日から少し遅れて入金されます。12月下旬の施術代が、翌年1月に入金されることもあります。

国税庁のタックスアンサーでは、その年の収入は「収入すべき権利の確定した金額」とされています。12月に売ったものの代金を翌年1月に受け取った場合でも、売った年の収入になると説明されています。ネイルの施術でいえば、施術をした日が基準になると考えるとわかりやすいでしょう。

なお、一定の要件を満たす小規模な青色申告者などは、届出をすれば入出金の日を基準にする「現金主義」を選べる場合があります。届出をしていない方は、施術日を基準に考えてください。

明細はデータのまま保存する

決済サービスの入金明細や手数料の明細は、管理画面やメールで受け取ることが多いはずです。こうしたデータで受け取った取引の記録は「電子取引データ」と呼ばれます。

国税庁の案内では、令和6年1月からは、電子取引データを消さずにデータのまま保存する必要があるとされています。印刷して紙で残すだけでは足りません。月に一度、明細をダウンロードしてパソコンやクラウドの決まったフォルダに保存しておくと安心です。

2年前の売上高が5,000万円以下の方は、税務調査などでデータのダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、日付・金額・取引先で検索できるようにする要件は不要とされています。保存の細かいルールは、国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトで確認できます。

消費税の課税事業者の方は区分にも注意

インボイス登録などで消費税の課税事業者になっている方は、手数料の種類ごとに消費税の扱いを確認する必要があります。手数料の内容によって扱いが変わることがあるため、自己判断で処理せず、確認してから申告してください。

今日からできる手数料の記録チェックリスト

難しく考えなくても大丈夫です。次の順番で、毎月少しずつ整えていきましょう。

  1. 使っている決済サービスと、仕事用の口座をすべて書き出す
  2. 月に一度、各サービスの管理画面から売上と手数料の明細をダウンロードする
  3. ダウンロードした明細は消さずに、決まったフォルダへ保存する
  4. 帳簿には「手数料を引く前の売上」と「手数料」を分けて記録する
  5. 業務委託の報酬明細は、報酬額・振込手数料・源泉徴収税額をそれぞれ確認する
  6. 12月の施術分で翌年1月に入金されるものは、今年の売上に入れる
  7. 手数料の年間合計を出して、料金設定や決済サービス選びの参考にする

帳簿づけが苦手な方は、レシートや明細をそのまま送るだけで記帳まで任せる方法もあります。税理士が運営するネイリスト専門の確定申告サービスについては、運営者情報をご覧ください。

よくある質問

手数料を引いた入金額で売上を記録してしまいました。どうすればいいですか?

まだ申告前であれば、決済サービスの明細を見て、手数料を引く前の売上と手数料に分けて記録し直しましょう。月ごとの合計で直せば、それほど手間はかかりません。すでに申告した年分に誤りがあった場合は、内容によって修正が必要かどうかが変わるため、個別に確認してください。

手数料の分をお客様の料金に上乗せしてもいいですか?

決済サービスとの契約で、手数料をお客様に負担させることが禁止されている場合があります。料金を見直したいときは、まず利用している決済サービスの規約を確認してください。税金の面では、上乗せした場合もその金額を含めた支払額が売上になります。

手数料1件ごとに領収書が必要ですか?

決済サービスの手数料は、管理画面の明細や入金明細で金額が確認できます。そうした明細データを保存しておくことが大切です。1件ずつ領収書をもらう必要はありませんが、明細は削除せずに残しておきましょう。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

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